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税制改正ポイント

〔平成27年1月1日施行〕相続時精算課税制度の改正

改正内容

 相続時精算課税における贈与者及び受贈者の範囲が下記のとおり改正されました。
 この改正により、より早い時点で、より広い範囲への生前贈与が可能となりました。

(改正1)贈与者の年齢要件を引下げ

 相続時精算課税の適用要件のひとつである贈与者の年齢要件が、引下げられました。

   □改正前 
     贈与をした年の1月1日において65歳以上の者

   □改正後
     贈与をした年の1月1日において60歳以上の者

(改正2)受贈者の範囲拡大

 相続時精算課税の適用要件のひとつである受贈者の範囲が拡大されました。

   □改正前
    ・贈与を受けた時において贈与者の推定相続人である直系卑属(贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者に限る)

   □改正後
    ・贈与を受けた時において贈与者の推定相続人である直系卑属(贈与を受けた年の1月1日において20歳以上である者に限
     る)

    ・贈与者の(贈与を受けた年の1月1日において20歳以上である者に限る)〔措法70条の2の5

適用開始時期

 上記の改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用されます。

相続時精算課税とは?

 ここで相続時精算課税について、簡単におさらいをしておきたいと思います。

制度の概要

 相続時精算課税とは、贈与者から贈与された財産について、暦年毎に合計し、その合計額から特別控除額を控除した残額に対し、一定税率による贈与税を支払います。
 その後、贈与者が死亡し相続が発生した場合には、それまでの間に贈与された財産の価額を相続財産に合算した価額を基に相続税額を算出し、その算出した相続税額から既に納付している贈与税を控除して納付します。

つまり、贈与税と相続税を通算して精算する事ができる制度なのです。

適用対象者の要件

  □贈与者
    贈与をした年の1月1日時点において一定年齢以上の者
    *一定年齢
      上記「(改正1)贈与者の年齢要件を引下げ」のとおりです。

  □受贈者
    贈与を受けた年の1月1日時点において20歳以上である一定の者
    *一定の者
      上記「(改正2)受贈者の範囲拡大」のとおりです。

特別控除額

 贈与された財産から控除する事が出来る特別控除額は、受贈者1人につき生涯で2,500万円までとなっています。
 “生涯”で2,500万円までなので、前年までにこの制度を受ける事により既に控除した特別控除額がある場合には、その既に控除した金額を2,500万円から差し引いた残額のみとなります。

税率

 贈与財産の価額から特別控除額を差し引いた残額に乗じる税率は、贈与財産の多寡に関係無く一律20%です。

税額の精算

 将来、贈与者が死亡し相続が発生した場合には、それまでの間に贈与された財産の価額を相続財産に合算した価額を基に相続税額を算出し、その算出した相続税額から既に納付している贈与税を控除して納付します。
 ここで控除しきれない贈与税額が生じた場合には、その控除しきれない金額は、還付されます。

手続き

 贈与者からの贈与財産に係る贈与税の申告期限内に一定の書類を添付した『相続時精算課税選択届出書』を贈与税の申告書と一緒に提出する必要があります。
 なお、一旦相続時精算課税を選択した者は、これを取りやめることは出来ません。

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